Vision Proはディスプレーの解像度が高く、細かい文字も読みやすい。現実空間を見たときの解像度も高い。ディスプレーパネルは眼の近くにあるため、老眼の人でも適切なVision Pro専用リーディンググラスレンズを装着すれば手元にあるアプリ画面にも、遠くにある景色にもピントが合う。高価な製品ゆえにコンシューマー用としてはあまり売れていないが、Vision Pro用のMicrosoft 365は生成AI機能(Copilot)とも連携し、ビジネス書類の作成や表計算データの確認などがしやすい。仮想ショールームの中を歩ける不動産販売業界向けアプリなども増えており、BtoBの分野では評価が高い。
デバイスの完成度次第で伸びそうなGoogle
Googleの動きを見てみよう。実は2021年にVRプラットフォーム事業から撤退しているGoogleだが、新たにAndroid XRという新OSを立ち上げつつある。このOSはサムスンが2024年中に発表すると予告している新XRヘッドセットに採用される見込み。GoogleはほかにもXRヘッドセットやARグラスメーカーにAndroid XRを売り込んでいると聞く。
Androidスマートフォンのように、OSという旗頭のもと複数のメーカーが集い、自由にデバイスを開発できる状況を整えようとしているGoogleはアップルと同じく、多くのスマートフォン・タブレット用のアプリを持っている。そのなかには個人の利用者数が多いGoogleドキュメントやGmailといったオフィススイートアプリもある。ビジネスユーザーが日常的に使いたいと思えるXRヘッドセット・ARグラスがあれば、後発でありながらいきなり高いシェアを獲得できるかもしれない。
XR分野で先行するメタだが、Questシリーズは世界中で累計2000万台以上も販売してきたという強みがある。OSのMeta Horizon OSはまだ開発中でリリースされていないが、Googleと同様にデバイスの選択肢が増えるAndroidのビジネスモデルを踏襲する予定。すでに複数のデバイスメーカーがMeta Horizon OSを採用することを表明している。
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