年商500億円!今アフリカで超人気の日本企業 トヨタも知名度では足元にも及ばない!?

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アフリカに構築した41カ国にも及ぶ取引相手国と、独自の物流インフラ。これらを活用し、山川氏はこれから、日本企業の「アフリカ進出支援サービス」を本格展開させる予定だ。

現在、アフリカ大陸の人口は約10億人だが、2050年には20億人に達する見通しだ。しかも、購買力のある中間層が徐々に増え、2030年には総人口の約半分が中間層になると見られている。当然、中間層が拡大すれば、消費は底上げされる。

確かにアフリカと日本の距離は遠い。日本企業にとって新興国といえば、やはり近隣の中国やアセアン諸国が主体になる。だが、経済産業省によれば、アジアの生産年齢人口は、2035年をピークに減少傾向をたどると見られている。その後も人口が増え続けるアフリカ大陸は、30年後、40年後のビジネスを考えた時、世界中の企業にとって魅力的な市場になる可能性が高い。

50億人の人口持つ新興国で勝負する

「現在、われわれが持っているアフリカの顧客リストは60万人超で、ウェブサイトの閲覧数は月間5600万PV。これを活用すれば、アフリカ市場に進出する際、現地マーケティングが簡単にできる。かつ、モノを輸出する際には、われわれの物流インフラを通じて運ぶことができる。現在、中古車の他に、40万点にも上る自動車パーツ、さらには自社ブランドの自動車用オイルも扱っているが、流通されるモノは自動車関連に拘らず、生活必需品などアフリカの人々に受け入れられるモノなら何でも良い」。

ECサイトといえば、日本ではアマゾンがメジャーで、売上高でも他のECサイトに比べてケタがひとつ違うほどの規模を持つ。だが、山川氏の目には、そのアマゾンをも超える未来が見えている。

「アマゾンは確かに巨大企業だが、商圏は先進国が中心。われわれはまず50億人の人口を持つ新興国で勝負しながら、徐々に商材を広げて先進国にも販路を広げていく」。

東京の調布市にあるビィ・フォアードの本社には、世界各国から集まった人種も国籍も異なる人たちがワンフロアに集まり、働いている。物凄い活気だ。日本時間の夕方になると、アフリカではビジネスタイムを迎えるため、さらに活気が増していくという。

「国際優良企業」は日本にもたくさんある。だが、ここまで新興国、特にアフリカに溶け込み、人種や国境を越えて集まった人々が、同じベクトルで突き進んでいる企業はそう多くない。真のグローバル企業だ。

鈴木 雅光 JOYnt 代表、金融ジャーナリスト

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すずき・まさみつ / Masamitsu Suzuki

1989年岡三証券入社後、公社債新聞社に転じ、投信業界を中心に取材。2004年独立。出版プロデュースやコンテンツ制作に関わる。著書に『投資信託の不都合な真実』、『「金利」がわかると経済の動きが読めてくる!』等。

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