年商500億円!今アフリカで超人気の日本企業

トヨタも知名度では足元にも及ばない!?

山川氏がアフリカに目を付けたのは、ちょっとした偶然の産物だった。会社を立ち上げた当初、廃車寸前の車を引き取り、サイトに載せておいたところ、アフリカから買い手が付いたのだ。走行距離が10万キロを超えた車は、日本ではほぼ無価値に等しいが、「アフリカではブランニューとまでは言わないまでも、ニューカーと言われる」(山川氏)。

1台売れれば、もう1台と売れるようになり、当初は月間50台程度だった輸出台数が、現在では1万5000台にまで伸びているという。

現在の取引相手国は、アフリカが41カ国で、全体の7割を占めている。最も取引の多い国はジンバブエで、2番目がザンビアだ。なぜ、アフリカという地理的にも日本から非常に遠い土地で、ここまで商圏を広げることが出来たのか。

現地パートナーとの厚い信頼関係、独自の物流網も

「アフリカでビジネスをしている日本人の中には、相手を軽く見ているのか、お金を受け取っておきながら、商品を送らないケースもある。だが、それでは商売にとって最も大事な信頼関係を築くことができない。だから、やるべきことは極めて簡単で、とにかく丁寧に対応すること。相手を無下にせず、真面目に商売に取り組むこと。そして、アフリカビジネスに精通した現地のパートナーを持つことだ」。

ビィ・フォアードの主業務はあくまでもECサイトの運営であり、輸出先の国々には出店投資を行っていない。現地で車の販売を行っているのは、ビィ・フォアードとパートナーシップ契約を結んでいる地元業者だ。現在、アフリカ全土で3600人の地元業者スタッフが、ビィ・フォアードのロゴ入りTシャツを着て、中古車などの販売に当たっている。今や同社のブランドは、アフリカ大陸で知らない人はいないと言われるほど、メジャーになってきた。

もうひとつ、同社の強みがある。それは独自に物流インフラを構築していることだ。

「タンザニアのダル・エス・サラームという港から、内陸にあるザンビアのルサカまで片道2000キロ。例えばエンジンを1機運ぶのにかかる費用は日本円で75万円くらいになる。われわれが車を運ぶ場合は、10台、20台をまとめてキャラバン隊を組み、自走していくため、1台あたりのコストが安くなる。1台につき大体1000ドル程度だ」

中古車を運ぶ場合は10台、20台とまとめてキャラバンを組んで自走する。そのため港から2000キロ離れたところに運んでも、1台あたり大体1000ドルで収まってしまう

そもそも、アフリカは道路の整備が遅れており、悪路が続く。キャリアカーに車を載せて運ぶと、途中でキャリアカー自体が壊れてしまうという。商品である車を自走で運ぶアイデアは、必要に迫られて生まれたものだが、同時に多数の受注があるからこそ、ローコストの物流が実現した。

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先陣切った米国の生産再開<br>透けるトヨタの“深謀遠慮”

米国でトヨタ自動車が約50日ぶりに5月11日から現地生産を再開しました。いち早く操業再開に踏み切った背景にあるのが、日本の国内工場と米トランプ政権への配慮。ドル箱の米国市場も国内生産も守りたい巨大グローバル企業の深謀遠慮が垣間見えます。