中古車価格の乱高下を呼んだ2つの要因 2011年の高値から一転、2012年は低水準

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中古車価格は新車の販売台数の影響を受けやすい(写真はガリバーのWOW!TOWN大宮 撮影:風間仁一郎)

国内の自動車販売に対する消費増税の影響が和らぎつつある。日本自動車販売協会連合会(自販連)によれば、登録車販売台数は4月こそ前年同月比2ケタ減だったが、5月は同約5%減。6月はほぼ前年並みとなった。

新車販売だけでなく、中古車の相場も落ち着きを取り戻している。指標となるのが、中古車オークションの平均落札価格だ。

オークションでは新車ディーラーが下取りした車や中古車買い取り業者が買い取った車が出品され、走行距離や内外装・エンジン・電装品の状態などを見て、中古車販売業者や輸出業者などが価格を提示、落札する。ディーラーでの下取りや業者の買い取りの際は、この相場の動きを見ながら査定が行われる。

駆け込み影響は早くも収束

平均価格を左右するのが中古車市場への供給量だ。これは新車の売れ行きによって変動する。そもそも、中古車の需要は年によって大きく変わるわけではない。自販連のまとめによると、中古車の年間登録台数は2010~2014年度で見ると、総じて390万台前後で推移している。

直近だけを抜き出してみると、今年1~4月は昨年より価格水準が低かった。特に、3月後半は大きく値下がりしている。これは消費増税前の駆け込み需要で新車販売が伸び、下取りなどが増えたことによって、中古車の供給量が急増したためだ。6月に入ってからは、出品台数も極端に増えることがなくなり、価格は前年並みに回復している。

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