三菱の小型車を熱望したクライスラーの思惑

世界戦略車をメキシコでOEM供給へ

三菱自動車は7月1日、欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ傘下のクライスラー・メキシコ社に、タイ生産の世界戦略車である小型セダン「アトラージュ」を11月から5年間供給すると発表した。三菱自動車が現在行っている海外メーカーへのOEM(相手先ブランドによる生産)供給としては、仏プジョー・シトロエンに続くものとなる。

三菱自動車の世界戦略車「アトラージュ」

三菱自動車とクライスラー・メキシコの関係は、2003年にまでさかのぼる。当時ダイムラー・クライスラ―社が三菱自動車の筆頭株主であったが、その資本提携の一環としてメキシコでの販売会社にクライスラーを選んだ。現在はSUVの「アウトランダー」や「パジェロ・スポーツ(現地名モンテロ・スポーツ)」などを展開しており、直近13年度は約9000台を販売している。

人気の「Bセグメント」

アトラージュは、いわゆる「Bセグメント」と呼ばれるサイズ(おおむね全長が3.75~4.2メートル)で、メキシコの自動車市場では2割強を占める。クライスラー側は、同社の「ダッジ」ブランドとしてメキシコで販売する。メキシコでの販売店数は三菱が50店、クライスラーがその3倍の150店。1日、記者団の取材に応じた三菱自動車の益子修会長は「年間1万台以上を販売したい」と販売力に期待を寄せる。

実はここ数年、「ダッジ」ブランドの小型セダンとしてメキシコで販売されていたのは、韓国の現代自動車がOEM供給していた「アティチュード」(現代側の車名は「アクセント」)と呼ばれるモデルだった。しかし、現代はメキシコで自前のディーラー網を整備することを決め、クライスラーとの契約を解消。実際今年2月には現地法人を設立し、5月には販売を開始している。

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