三菱の小型車を熱望したクライスラーの思惑

世界戦略車をメキシコでOEM供給へ

今回の供給契約を結ぶにあたっては、「クライスラー側から“ぜひ自分たちで(アトラージュを)売りたい”と強い要望があった」と益子会長は語る。メキシコで人気の高いBセグメントのセダンを自社で手掛けていないクライスラーとしては、現代に代わる小型車メーカーを探していたといえる。「彼らなりに色々と思惑はあったようだ」(益子会長)。

クライスラーの販売力に期待を寄せる益子修会長(撮影:大澤 誠)

一方、三菱自動車はアトラージュを主力拠点のタイ工場で生産。輸出向けが好調で稼働率は9割以上を維持しているが、タイ国内向けが政情不安等の影響で計画を下回っている。今回の供給でメキシコへの輸出分を増やし、生産レベルを維持したいという狙いがある。

フィアット・クライスラーとの提携は否定

今回のようなOEM供給は「あくまでメキシコでクライスラーがわれわれのディストリビューター(販売会社)だから実現した話」(益子会長)であり、他の国に同様のプロジェクトが広がることはないという。フィアット・クライスラーとのグループとしての提携の可能性も、「(同社のセルジオ・)マルキオーネCEOとは会ったこともない」として否定した。

一地域の販社への供給とはいえ、海外メーカーとの新たな協業は三菱自動車にとっては久々のことだ。6月25日には益子新会長、相川哲郎新社長が就任したばかり。新体制で地道にビジネスチャンスを探していくという姿勢の表れともいえそうだ。

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