中古車価格の乱高下を呼んだ2つの要因 2011年の高値から一転、2012年は低水準
過去を振り返ると、2012~2013年より一段高い水準で推移したのが2011年だ。同年3月に起きた東日本大震災の影響で、特需的な動きが生じたことが背景にある。
津波で車が流されてしまったユーザーの需要が東北で急増。「特に低価格車の値上がりが顕著で、通常10万円ほどのものが30万~40万円で売れたりしていた」(ガリバー自動車研究所の鈴木詳一所長)。
逆に価格が大きく下がったのが2012年だ。同年9月まで支給されていた「エコカー補助金」により、新車販売の水準が例年よりも高かった。そのため中古車市場への供給量も増加し、価格を下押しした。
一方、2011~2013年の3年を横並びで見ると、年末にかけて価格が同水準に収斂している。これは年度末(3月)の需要期を前に、新車販売が落ち着くためだ。年央に価格が低迷した2012年は、補助金特需が剥がれて供給量が減ったため、年末に値上がりした。
異色の売れ筋車種とは?
オークションへの出品台数(ユーストカードットコム調べ)を見ると、新車販売台数の多い車種が上位に並ぶ。スズキの軽自動車「ワゴンR」やトヨタ自動車の「プリウス」「ヴィッツ」、ホンダの「フィット」などが常連だ。
その中で異色なのが、いすゞ自動車の小型トラック「エルフ」である。前出の鈴木氏は「トラックは輸出向けが目立つ。新興国ではまだ、乗用車よりも商用車のほうがニーズがある」と分析する。国内需要が伸び悩む中、今後は海外需要も中古車相場に大きな影響を及ぼしていきそうだ。
(「週刊東洋経済」2014年7月12日号<7月7日発売>掲載の「価格を読む」を転載)
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