フワちゃんの謝罪に見えた「無邪気」という危うさ 「多様性」のラベルが剥がれて表出したもの

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こうした「世間が許しても、私は許さない。だから完膚なきまでに、たたきのめすしかないのだ!」的なムードは、とくにSNS炎上をめぐっては、よく見られる。

今回の件については、やす子さんが「許す」と発言し、フワちゃんが謝罪のうえ活動休止を決めた以上、(少なくとも対外的には)当事者間の問題は解決している。

にもかかわらず、さらなる厳罰を求める。法的で業界的な審判が下されないなら、あるいは「その処分に私は納得がいかない」なら、どれだけ私刑を加えても構わない……といった、ゆがんだ正義感がSNSにはあふれている。

【画像8枚】「反省して、精進します。」「署名は”フワちゃん”」…。大炎上&やす子への謝罪後にした、フワちゃんの投稿の様子

でも、しょせん他人は他人だ。人は誰しも「生きてるだけで偉い」。パリオリンピックが終わった今、やす子オリンピックに出場しようではないか。一人ひとりが、それぞれ別の競技に挑み、そこにはライバルはいない。誰かに向けている敵意を、自分の向上心に切り替えられたなら、そこに「皆優勝」の未来が待っているはずだ。

その他の画像

フワちゃん
「オールナイトニッポン0」の休止が決まり、フワちゃんらしからぬ真面目な様子で謝罪(画像:本人の公式Xより)
フワちゃん
Google PixelのCMはすべて非公開となった。CM内で使われていた「消しゴムマジック」を自身のXでも披露(画像:本人の公式Xより)
城戸 譲 ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー

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きど・ゆずる / Yuzuru Kido

1988年、東京都杉並区生まれ。日本大学法学部新聞学科を卒業後、ジェイ・キャストへ新卒入社。地域情報サイト「Jタウンネット」編集長、総合ニュースサイト「J-CASTニュース」副編集長などを経て、2022年秋に独立。現在は東洋経済オンラインのほか、ねとらぼ、ダイヤモンド・オンライン等でコラム、取材記事を執筆。炎上ウォッチャーとして「週刊プレイボーイ」や「週刊SPA!」でコメント。その他、ABEMA「ABEMA Prime」「ABEMA的ニュースショー」などネット番組、TOKYO FM/JFN「ONE MORNING」水曜レギュラー(2019.5-2020.3)、bayfm「POWER BAY MORNING」などラジオ番組にも出演。政治経済からエンタメ、炎上ネタまで、幅広くネットウォッチしている。
X(旧ツイッター):@zurukid
公式サイト:https://zuru.org/

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