「外遊び」が子どもの目にも心身にもよい理由 今すぐにでも取り組める近視抑制方法がある

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高濱:小学校入学と同時にタブレットが配布される日本とは対照的ですね。

窪田:日本ではコロナ以前から親子で家にこもりがちな傾向があるように思います。その点に関して高濱先生はどうお考えでしょうか。

高濱:人間は昔から子育てを群れで行っていました。「みんなでみんなの子どもを育てる」という文化があったわけですね。それが戦後からどんどん各自が自分の家に引きこもるようになっていき、母親が一人きりで子育てをして行き詰まってしまうケースが出てきました。

ここまでお話ししてきたように、子どもは外に出てたくさんの大人に触れたほうがいいですが、子育て中の親も一緒に外に出て交流したほうがいい。子育ての孤独感が解消される一歩になると思います。

窪田:なるほど。ちなみに、目の健康という観点からも、子育て中の大人も、子どもと同じく屋外に出て自然光を浴びたほうがいいですよ。

屋外に出ることで大人の目の健康も守れる

窪田:外遊びによる近視抑制効果は、ある程度の年齢までなら大人にもあります。近視は6〜12歳の間で発症する子が出始め、成長期の終わる14〜18歳あたりで進行が止まることが多いと考えられていましたが、最近では30代、40代でも近視が進行し続ける人が増えています。

オーストラリアで行われた研究では、屋外活動は大人の近視抑制にも効果があると報告がありました。ですので、ぜひ親子そろって屋外に出て太陽光を浴びることで目の健康を維持していただきたいですね。

高濱:その場合、私のようなメガネをかけた人でも屋外に出れば太陽光の恩恵を受けられますか? 太陽光は窓ガラスを通すと波長が変わってしまい、近視抑制効果が失われるというお話しでしたが……。

窪田:メガネの横から直接太陽光が入ってきますので、メガネをかけたままで大丈夫ですよ。

高濱:メガネの大人にも朗報です。

(構成:石原聖子)

窪田 良 医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO

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くぼた りょう / Ryo Kubota

慶應義塾大学医学部卒業。慶應大医学部客員教授、米NASA HRP研究代表者、米シンクタンクNBR理事などを歴任。虎の門病院勤務を経て米ワシントン大学助教授。2002年創薬ベンチャー・アキュセラを創業。2016年窪田製薬ホールディングスを設立し、本社を日本に移転。アキュセラを完全子会社とし、東証マザーズに再上場。「エミクススタト塩酸塩」においてスターガルト病および糖尿病網膜症への適応を目指し、米FDAからの研究費を獲得し研究開発を進めているほか、在宅医療モニタリングデバイスや、ウェアラブル近視デバイスの研究開発を行っている。

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高濱 正伸 花まる学習会代表

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たかはま まさのぶ / Masanobu Takahama

1959年熊本県生まれ。県立熊本高校卒業後、東京大学に入学。1990年同大学院修士課程修了後、1993年に小学校低学年向けの学習教室「花まる学習会」を設立。父母向けに行なっている講演会は毎回、キャンセル待ちが出るほどの盛況ぶり。「情熱大陸」(毎日放送/TBS系)、「カンブリア宮殿」「ソロモン流」(テレビ東京)など、数多くのテレビ番組に紹介されて大反響。「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)、「AERA with Kids」(朝日新聞出版)などの雑誌にも多数登場している。『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』(青春出版社)、『わが子を「メシが食える大人」に育てる』(廣済堂出版)など、著書多数。

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