4年で半減の大苦境「ホンダ」中国事業の行き先 BEV新ブランド投入で立て直しは図れるか?

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2つ目の要因は、HEVの低迷だ。ホンダは2016年に独自の高効率ハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD」を搭載したアコードを投入し、HEVを強化し始めた。2021年には、23.4万台のHEV販売台数を記録し、市場シェアは32%に。

しかし、2023年から、中国市場で熾烈な価格競争が繰り広げられるようになると、トヨタが多くのHEVを値下げし、市場シェアを維持。また、フォード、吉利汽車、東風汽車、広州汽車も相次いでHEVを投入し、競争力を高めている。

第9世代となったトヨタ・カムリのハイブリッド(筆者撮影)
第9世代となったトヨタ・カムリのハイブリッド(筆者撮影)

2024年7月の中国HEV市場のシェアを見ると、トヨタが77%であるのに対し、ホンダはわずか8%となっている。

HEVはエンジン車と比較して、低CO2排出や低燃費を実現するものの、熱効率を大幅に改善し、長距離走行を可能とした中国勢PHEV(プラグインハイブリッド)の増加により、そのパワートレーンの優位性をアピールするのが難しくなっている。

特にBYDが今年7月に発売した2025年型「宋PLUS DM-i」PHEV」の価格は13.58万元で、CR-V HEVより25%安い。BYD のPHEVを契機とした価格破壊と値下げ競争の激化は、外資系車種の競争力を脅かしており、特にホンダの主力車種に大きな影響を与えている。

BEVの新ブランドを続々と投入

3つ目は、BEV販売の不調だ。ホンダは、2018年に中国専用BEV「理念VE-1」(広汽ホンダの自主ブランド)を投入し、外資系メーカーの中で早い時期に電動化シフトを開始した。

2019年には、「X-NV」(東風ホンダの自主ブランド)も投入した。これは「ヴェゼル」をベースとしたBEVだが、ブランドの認知度が広がらず、価格高もあって販売増につながらなかった。

新ブランド、烨(イエ)ブランドのEV、P7(筆者撮影)
新ブランド、「烨(イエ)」のEV、P7(筆者撮影)

かかるなか、ホンダは2022年に同社初のBEVブランド「e:N」を立ち上げ、専用工場の新設と、2030年以降に発売する新車をすべて電動車両にするという大胆なBEV戦略を発表した。

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