中国電池CATL、「EV販売減速」でも増益確保の底力 原料コストの低下が寄与、逆風下でシェア拡大

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CATLはEV向け車載電池で世界シェア首位を独走している。写真は同社の電池生産ライン(CATLのウェブサイトより)

中国の自動車市場でEV(電気自動車)の販売が伸び悩む中、車載電池で世界最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)が底力を見せている。

同社は7月28日、2024年1~6月期の半期決算を発表。それによれば、上半期の売上高は1667億7000万元(約3兆5401億円)と前年同期比11.9%の減収だったが、純利益は228億6000万元(約4853億円)と逆に10.4%の増益を確保した。

車載電池の売上高2割減

上半期の売上高減少の主因は、EV市場の過当競争の影響で(車載電池の買い手である)完成車メーカーからの値引き圧力が強まったことだ。CATLの車載電池部門だけで見ると、1~6月期の売上高は1126億5000万元(約2兆3913億円)と前年同期比19.2%減少した。

それでも増益を確保できたのは、原材料コストの低下の恩恵が大きい。リチウムイオン電池の主要原料である炭酸リチウムの1~6月期の平均市場価格は、前年同期比7割近くも下落した。

その結果、電池の製造原価が大幅に下がり、車載電池部門の1~6月期の粗利率は26.9%と前年同期より6.55ポイント改善。売上高の減少を補って余りある利益を生み出した。

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