新車への電池の搭載量ベースで見ると、CATLの市場シェアは(売上高の減少にもかかわらず)むしろ上昇している。
韓国の市場調査会社SNEリサーチのデータによれば、2024年1月から5月までのグローバル市場でCATLは37.5%のシェアを確保し、前年同期を2.3ポイント上回った。同社は(再生可能エネルギー発電などの電力を一時的に蓄える)蓄電システム用電池でも世界首位を独走中だ。
だが、先行きについては不安もつきまとう。車載電池業界では過去数年間に新規参入が相次ぎ、新たな生産設備が続々と稼働している。そんな中、EVの販売鈍化(による需要不足)と電池業界内の競争激化により、設備稼働率が急低下しているからだ。
CATLも例外ではない。決算報告書によれば、同社の1~6月期の電池生産能力(容量ベース)は323GWh(ギガワット時)に達したが、実際の生産量は211GWhにとどまった。設備稼働率は65.3%であり、2023年通期の70.5%から5ポイント余り下がった。
新工場の稼働を延期
既存の生産能力に加えて、CATLは中国内外で合計153GWh相当の生産ラインを建設中だ。
「それらの半分近くは(ヨーロッパ市場の需要に対応する)ハンガリー工場のものだ。わが社の設備稼働率は穏やかに上昇していく。投資家は市場の臆測に振り回されないでもらいたい」
同社は決算説明会でそう述べ、設備稼働率のさらなる低下に対する懸念の払拭に努めた。
とはいえ、これまでのような急速な拡大路線の修正は避けられない。CATLは決算発表と同じ日の投資家向け情報開示で、過去に公表した投資プロジェクトのうち1件の延期を明らかにした。
具体的には、子会社の瑞慶時代新能源科技が広東省肇慶市で建設中の新工場のプロジェクトだ。当初は第1期の竣工時期を2024年6月としていたが、それを2026年12月に先延ばしする。
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は7月27日
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