4年で半減の大苦境「ホンダ」中国事業の行き先 BEV新ブランド投入で立て直しは図れるか?

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2024年1~7月の中国販売台数は、前年同期比24.4%減の46.8万台。7月の単月でも同41.4%減の5.2万台となり、トヨタの中国販売台数の3分の1程度にとどまる状況だ。

こうした販売低迷により、ホンダは通年の販売台数の見通しを従来の106万台から84万台に下方修正した。わずか4年間で半減であるから穏やかではない。

いま、ホンダの中国事業で何か起きているのか。ここでは、3つの要因をあげる。

「売れる車種」が少ない

まず1つ目の要因は、「エンジン車の残存者利益」を獲得しがたいことだ。

ホンダの主力車種(エンジン車)は、日系・ドイツ系の競合車種に対し、差別化が難しくなっている。中国に投入する車種数を見ると、ホンダが24車種、トヨタが19車種、フォルクスワーゲンが27車種で、3社ともフルラインナップ戦略を取っている。

トヨタの主力車種のひとつ、ハイランダー(写真:广汽トヨタ)
トヨタの主力車種のひとつ、ハイランダー(写真:广汽トヨタ)

一方、7月に出荷台数1万台超の車種は、トヨタとフォルクスワーゲンがそれぞれ4車種、6車種であるのに対し、ホンダは1車種のみ。特にロングセラーであるCR-Vの販売台数が1万台割れとなったことから、ホンダの競争力が低下していると見受けられる。

出荷台数に占めるトップ2車種の割合を見ると、ホンダ38%、トヨタ28%、フォルクスワーゲン27%と、ホンダは割合が高い。

つまり、ホンダはアコードとCR-Vの2車種に依存しており、ほかの車種の競争力が低いということだ。さらにディーラーの値引き競争を受け、ホンダの兄弟車でカニバリゼーションを起こしている。2024年1~7月の販売台数をみてみよう。

CR-V(東風ホンダ)は「ブリーズ」(広汽ホンダ)の約2倍、アコード(広汽ホンダ)は「インスパイア」(東風ホンダ)の約3倍となっている。

地域ごとの消費者ニーズに対応するマーケット戦略の効果は薄くなっており、コストパフォーマンスの高い車種しか売れない状況だ。

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