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「日本発の株価大暴落」はまだ終わっていない 暴落は収束したかに見えて何度もやって来る

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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一方、危機でもないのに危機だと騒ぐことで、新しい危機を作ってしまう可能性もある。ここで冷静に考えてみよう。

資産バブル崩壊を考察する際の「3つの軸」

資産バブル崩壊は、いくつかに分類することができる。その際に重要な軸は3つである。

(1)銀行が巻き込まれているか否か

これが、バブルが経済を破壊するかしないかを決める最大のポイントだ。銀行が資産バブル崩壊に巻き込まれ、損失を抱えたり、破綻したりすれば、資産バブルとは無関係に地道に事業を行っていた町工場にも波及する。

不動産バブルがなぜいつも悲惨なのかは、これが理由だ。不動産投資には借り入れを伴うので、不動産バブル崩壊は必ず銀行を破綻させる。リーマンショックに至ったサブプライムショックも、日本の1980年代後半のバブルも典型的だ。

金融当局が銀行を監督していても、「シャドーバンキング」と呼ばれる銀行以外のファイナンススキーム(お金の調達の方法や枠組み)を組むことで、当局の監督を回避してバブルが膨らむのも典型だ。

今回は、これはない。その意味でドットコムバブル(日本での呼び方はITバブル)に似ている。2000年のバブル崩壊では、アメリカのアマゾン・ドット・コムほか、多くのネット新興企業の株価が何十分の1、場合によっては何百分の1、あるいは文字どおり紙くずになった。

だが、実体経済へのダメージはそれほどなかった。銀行は無関係で、株式市場でIT関連株が勝手に盛り上がり、勝手に崩壊したからだ。今回も、終盤はAI(人工知能)バブル、半導体バブル、あるいはマグニフィセント7バブルだったが、それらの株価が割高になり、調整されただけで、銀行はほぼ無傷だ。

したがって、今回のバブル崩壊が、実体経済に大きなダメージを与えるかというと、そうではないと見込まれる。

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