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コロナで消えた「駅ナカジュース店」驚きの現在 拡大、派生、衰退…そして新たな出店が始まるまで

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最盛期には丹波橋、枚方市、天満橋駅など京阪沿線を中心に、梅田地下街ホワイティうめだや関東圏にも出店。店舗数は40店舗程度にまで広がった。

トレードマークのオレンジカラーに「Juicer Bar」と入ったロゴは、かつて大阪のあちこちでみられた(写真:カフェ提供)

現在の運営会社である、株式会社カフェの取締役・寺村武史氏によると、店舗拡大のピークは2016年頃だったそうだ。東京近郊ではフランチャイズ展開もスタートし、これが当たってぐんぐん勢力を増した。

なぜこれほど急速に拡大できたのか。その理由は人件費が少なく、5坪あれば始められるビジネスモデルにある。投資のハードルが低く、失敗しても負債は少なく済むため、オーナーとの利害が一致しやすかったのだ。

一方でこの時期には、FCを運営する本部機能ができ、各店のジュースのクオリティを統一するために農協に依頼したり、専属バイヤーが地方に出張して旬の果実を仕入れる動きも。特に、一番人気のミックスジュースはオリジナルレシピを作り、それをFCを含めた全店に卸していた。

コロナで大ダメージ、短期間での急速な縮小

順調に拡張を続けていたジューサーバーだが、2020年、事態は一変する。青天の霹靂。コロナ禍が始まったのだ。「駅に人が激減」「マスクで覆っているため口を出せない」という状況に売上は激減。採算がとれなくなった店が次々と閉じられていった。そして、これに伴い本部機能も人員削減となった。

さらに、緊急事態宣言解除後も人の往来はなかなか戻らなかった。そのため、株式会社カフェが事業を承継した2022年には、大阪の店舗は京阪京橋駅ホーム上、京阪天満橋駅コンコース、新大阪駅新幹線改札内の3つだけに。東京は池袋と北千住の2店舗で、合計5店舗になっていた。

苦境はなおも続く。売上が戻らぬうちに食材の高騰が始まり、それに伴って商品もどんどん値上げしなくてはならなくなったのだ。結局、東京の2店舗は2023年に撤退。京阪天満橋駅のシンボルとして愛されていた店舗も、泣く泣く閉めた。最後まで残ったのは、京阪京橋駅ホーム上、新大阪駅新幹線改札内の2店舗だ。

東京東武鉄道 池袋駅の商業施設『EQUiA(エキア)』に入っていたジューサーバー。2023年に閉店(写真:カフェ提供)

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【東京にあった『ハニーズバー』との違いとは?】

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