米銀幹部に聞く欧州危機、世界経済、新興国ビジネスの動向--マイケル・M・ロバーツ シティバンク最高融資責任者
--高齢化や財政悪化などの構造問題を抱え、大震災にも見舞われた日本の経済をどう見るか。対日ビジネスの照準をどこに置くか。
日米欧はみな重大な構造問題に直面している。日本はバブルが崩壊したあと、真に回復する前に大震災が起きてしまい、再び経済が疲弊している。債務の対GDP比率も大きい。
米国も政府債務が対GDP比で100%まで膨らみ、欧州もその水準に急速に近づいている。どの先進国も経済建て直しのために債務を削減する必要がある。今後は当分、1~2%程度の低成長が続くだろう。
世界経済の中心、牽引役は新興国へと移っていく。そのペースが加速しているのは事実だろう。
日本では、日本企業がグローバルに事業するうえで、資金管理や為替リスク管理、海外での日々の事業計画などのお手伝いをしている。12カ国に14のジャパンデスクを持ち、日本人を駐在させて日本語で対応している。
--バーゼル3への対応は万全か。
すでに2013年1月から完全に準拠すると発表しており、今はそのためのシステムの変更や組織の変更をしている。当社はG−Sifi(グローバルなシステム上重要な金融機関)の分類に入るが、自己資本は非常に高い水準にあり、増資などを通じて資本増強する必要はなく、内部留保を積み増す形でバーゼル3の要件は十分達成できる。資本だけでなく流動性についても、十分にその要件を満たせると考えている。
(聞き手:中村 稔 =東洋経済オンライン)
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