低所得国の成長には、金融インフラの整備が不可欠--武田真彦・IMFアジア太平洋局次長
したがって、いかに国内の貯蓄率を上げて、貯蓄を有効活用するかの視点が必要だ。加えて、外国からの開発援助、そして民間から資金流入によって、低所得国の成長が実現する。
--インフラの構築に向けた課題は何か。
採算に合わないリスクが高ければ、民間企業は参入してこない。そのため政府の保証が必要だ。IMFとしては、その結果、国への負担が増えすぎないよう、財政のバランスを見ている。
また低所得国では、農村部などで現金を貯め込んでいるケースが多く、それをいかに金融システムに取り込むかという課題がある。それに向けては、今回の会議では、低所得国では国有銀行の割合が多いため、今後は民営銀行を増やしたほうがいいなどの意見が出た。
銀行セクター以外では、資本市場の育成に向けた取り組みも必要となる。最近の例では、ラオスやカンボジアで証券取引所が設立された。ただし、新興国市場のように、証券市場が盛り上がった後、資金が流出して急落するケースがある。そうした不安定な状態をいかに防ぐかが課題となる。
(聞き手:許斐健太 =東洋経済オンライン)
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