ダイヤ通りは6割、ドイツ鉄道「遅延」の深刻事情 「時間に正確」は印象だけ?ラテン系諸国は改善

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ICE スイス国内
スイス国内を走るドイツの高速列車ICE。遅れにより国境手前で運行が打ち切られることも多い(撮影:橋爪智之)
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スイスの新聞「20Minuten」は5月、交通機関調査プラットフォームOpentransportdataの調査・分析結果として、2023年にドイツ方面から国境のバーゼルを経由してスイスへ乗り入れてくる列車のうち、定刻通り運行されていた列車はわずか36%で、48%は3分以上遅れていたと報じた。

同プラットフォームは2018年から列車の定時運行に関するデータを収集しているが、調査を開始した2018年は、まだ半数以上の列車が定時で運行されており、ドイツ鉄道の遅延状況は年々悪化の一途をたどっている。

スイス鉄道が「見捨てた」ドイツ

ドイツの旅行情報サイトReisereporter.deが行った別の調査では、ドイツ鉄道の2022年における定時運行率は過去最低の65.6%にとどまり、スイスの92.5%と比較して30%近く下回った。過去10年の数値はいずれも70%以上を記録しており、60%台に落ち込んだのは初めてのことだ。

しかもこの数値は、スイスでは「3分以上」の遅れという、より厳しい基準で計算されたもので、ドイツでは「6分未満」は遅れとしてカウントしていない。同じ基準で比較をすれば、その差はさらに広がることになるだろう。

スイス鉄道(SBB)はドイツからの乗り入れ列車について、スイス国内のダイヤへの影響を避けるため、国内の運行系統からは切り離すと明言している。ドイツからの列車が遅れた場合、国境駅のバーゼルSBBでその列車は運行を打ち切り、スイス国内向けには臨時列車を仕立て、バーゼルから先の国内区間の定時運行を確保している。

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