奇跡?劇的に清潔になる中国「トイレ事情」 あの悲惨なトイレがついに変わる?
一方で、中国のトイレといえば、いまだに「汚い」と連想する日本人が多いのも事実。私の日本の友人の中には「中国はトイレが汚いから、絶対行きたくない」と断言する女性までいる。
それほどまでに中国のトイレには「汚い」「臭い」「不潔」といった悪印象を持つ日本人が多いが、先日、北京や上海を訪れて驚いたのは、公共施設や百貨店、オフィスビルなど、どこへ行っても、以前に比べてトイレが格段に「きれいになっていた」ことだった。
この1年で劇的にきれいになった?
「きれいになった」というのはあくまでも私の主観的な感覚であり、自分の中での過去との比較なので、誰が見てもそう思うとはいえないが、少なくともちょうど1年前、北京と上海のトイレを定点観測したときに比べ、トイレを取り巻く環境は明らかに変わった。
具体的にいうと、公共施設のトイレに関して「洗浄の水がちゃんと流れる」、「(公衆トイレを除き)トイレットペーパーが8割以上の確率で設置されている」、「トイレのカギがかかる」、「洗面台の水に手をかざすと水が出る」、「便座が以前ほど汚れていない」などの現象が目に見えて起こったのだ。今年2月に上海を訪れたときにも同様の変化を感じたが、今回、その感覚は“確信”に変わった。
これらは日本ではすべて当たり前のことなので、逆に日本人は驚くだろう。「これまでカギがかからなかったトイレもあったの?」と。その通りだ。カギがかからない、トイレの水が流れない、汚物が散乱……といったことは、中国では日常茶飯事だった。
3、4年前まで、上海の公共施設では、たとえばトイレが6つあったら、2つくらいはカギが壊れていることが“普通”だった。農村出身者などはもともとトイレにカギをかける習慣がないので、トイレを開けっぱなしで使う人もいた。誰もいないと思ってドアを開けると中で人が用を足していてびっくり、ということも(開けられた側は別に驚かないのだが……)。
水洗トイレなのに、バーが機能せず、洗浄されていないこともあった。そのせいもあるのだが、便器内に汚物が残っていて汚かったり、便座の上に靴の足跡があり、泥や土がついていて、そのままではとても便座に座れないということもよくあった。
それほどまでに、中国のトイレは悲惨な場所だったのだ。中国に慣れている私でさえ、中国ではあまりトイレに行きたくないので、水分を控えるくらいだった。
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