ユーロ発「世界危機」 イタリアへの伝播阻止へ綱渡りの危機対応

イタリアはユーロ圏3位の経済大国。政府債務残高は1・8兆ユーロ超でギリシャの6倍近い。金融支援は受けていないが、8月初めに国債利回りが一時6%を超え、欧州中央銀行(ECB)が買い支えに入った。10月5日にはムーディーズが同国国債をA2へ3段階も格下げ。理由として、1公的債務返済の多さに伴う資金調達リスク、2経済成長の下振れリスク、3経済の不透明感による財政健全化目標の達成難、を挙げた。

このイタリアに加え、同じく伝播が危惧されるスペインも、共に経常赤字体質かつ対外純債務国である。国債消化の外資依存度が高く、資金逃避リスクがつきまとう。しかもイタリアはユーロ加盟以来、「公的債務のGDP比60%以内」という加盟条件をクリアした年がない。すべてギリシャと一緒。問題放置のツケが一気に回ってきた形だ。

安全網整備できれば“秩序あるデフォルト”も

とはいえ現実問題として、イタリアへの危機伝播は何としても阻止せねばならない。今、もし同国の国債利回りが危険水域の7%を超えて国債発行不能となっても、金融支援は難しいからだ。危機国の支援を行う「欧州金融安定化基金(EFSF)」の融資枠は実質2500億ユーロしかない。国債買い入れや銀行への資本注入支援など、今週中にユーロ各国の承認が終わる機能拡充後の融資枠4400億ユーロでも、心もとない。

万が一、イタリアがデフォルトすれば、同国に債権を持つ欧州系銀行を中心に、リーマンショックを上回る世界金融パニックは必至だろう。

市場の不安を抑え込むには、安全網としてのEFSFの大幅再拡充が欠かせない。先週のユーロ圏財務相会合でも再拡充する方向で一致した。ただ具体策は先送り。市場では1兆~2兆ユーロが必要との見方が多いが、融資リスクの保証率が高いドイツなどでは反対論も強い。

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