中高年リスキリングを待ち受ける「3つのリスク」 定年後、ホワイトカラーの仕事に就けるのか?

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まず、現在ホワイトカラー人材の方がホワイトカラー分野の仕事に就き続けるためには、何といっても、「自分自身をリスキリングしていく」スキルを持っていることが重要です。

例えば、大企業で役員まで上り詰めた経験がある有名経営者の方であれば、顧問やアドバイザー、社外取締役といった毎月定期収入のあるポジションに就くことができるかもしれません。

しかし、定年や引退した時点での実績や、その当時のままの知識やスキルのお釣りで食べていけるような方は、ごくまれな存在になっていくと思われます。

多くの方々は、次々に新しく生まれてくるテクノロジーなどによる外部環境の変化、海外から輸入されるビジネス上の新しい習慣に合わせて、自分の価値観や働き方を時代に適応させ、学び続ける必要があります。まさにそれが「自分自身をリスキリングし続ける」スキルです。

デジタル分野などの成長分野においては、これからも新たな仕事が生まれ続ける可能性があり、リスキリングを行うことで変化に上手に対応していくことができます。

2025年以降、IT人材不足が問題に

少し古い調査ですが、2018年に経済産業省が発表したレポートには、2025年以降にIT人材不足が大きな経済損失を引き起こす可能性があるという予測が出ていました(いわゆる「2025年の崖」)。

加えて、みずほ情報総研による2019年の調査では、2030年には約79万人(高位シナリオ)のIT人材が不足すると試算されていました。これはChatGPTなどの生成AIがリリースされる前のものでしたので、ここ数年間の実際の動きについては今後注意が必要だと思います。

一方で、依然として全世界的にIT人材の給与は高騰している状態です。

日本でも、人材紹介会社のマイケル・ペイジが発表した2022年の年収調査によると、外資系に転職をしたIT分野の平均年収は1113万8000円でした。日本全国の平均年収408万円と比較すると際立って高いといえます。

ただ、残念ながら諸外国と比較すると、日本のデジタル分野の給与は相対的にかなり低い状態が続いています。

また、総合人材サービス会社のヒューマンリソシアによると、2023年のITエンジニアの給与トップは、スイスで10万2839ドル、2位はアメリカで9万2378ドル、日本は3万6061ドルで、なんと26位です。同じ仕事をするにしても、日本では給与がスイスやアメリカの4割以下ということになります。

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