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中高年リスキリングを待ち受ける「3つのリスク」 定年後、ホワイトカラーの仕事に就けるのか?

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  • 後藤 宗明 一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ代表理事  SkyHive Technologies 日本代表
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リスキリングに早くから取り組み、デジタル分野でキャリアを積むことができれば、定年後にも、人材不足のデジタル業界で高賃金を得ながら活躍できるチャンスが広がる可能性があると考えられます。

特に、デジタル分野の仕事はリモートワークとの相性もよく、働き方も自由に選べるのではないかと思います。また、個人事業主(フリーランス)として活躍できるレベルになれば、複数の案件を抱えることも可能であり、選択肢を広げることができます。

リスキリングに真剣に取り組むことが条件ではありますが、デジタル分野については、今後、年齢不問のスキルで勝負できる分野となっていくと考えられます。

人材不足の分野で働くための準備

一方で、現時点でも人材が不足している分野は、定年後のキャリアとして今後積極的に検討すべき選択肢ではないかと思います。

また、社会全体としても、人材が不足して困っている分野への「必要とされる」労働移動となります。慢性的な人手不足が課題となっている介護分野などで働くためのリスキリングはまさに求められている、といえます。

ただし、そのような分野への労働移動には、オフィスワーカーとして働くのとはまた違ったハードルがありますので、それらをここで整理しておきます。

まず、気力の問題です。加齢を経ても気力がみなぎっているシニアの方を除き、一般的には働くことに対する気力が低下していく傾向にあります。

続いて、体力の問題です。健康寿命を前提に労働寿命を延ばしていくためには、当然のことながら体力が大きなカギを握ります。特に、肉体労働を前提とした分野の仕事に移っていく場合は、とにかく体力面での早期からの事前準備が必要となります。

どちらも、現在の自分ではなく、例えば気力と体力が3割減少した未来の自分を思い描き、やりたいと思える仕事かどうか、適性を丁寧に考える必要があります。

例えば、コミュニケーションが得意なほうなのに、人と話す機会の少ない、単純作業を中心とした仕事をせざるを得ないといった場合は、モチベーションを維持することなどが極端に大変になっていきます。

また、都市部の大企業で働いていたホワイトカラー分野の方々の場合、周囲からの視線や評価を気にするがゆえに、現実を受け入れることが難しく、やる気が著しく低下してしまうことも考えられます。

加えて、給与の問題もあります。

エッセンシャルワーク分野の仕事は、人間が社会生活を営んでいくうえで不可欠な仕事であるにもかかわらず、現時点では著しく時間あたりの賃金が低いことが問題となっています。人材不足やインフレの影響もあり、数年前より賃金上昇が見られる分野もありますが、依然として低水準であることには変わりがありません。

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