渋谷駅の地下で今、何が起きているのか ゲリラ豪雨による冠水リスクも大幅に軽減?

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これらが完成すると、現在約4分かかっている東横線・副都心線と銀座線との乗り換えが約2分半に、また、約3分半かかっている東横線・副都心線とJR線との乗り換えが約2分へと短縮される。銀座線とJR線は同一階での乗り換えが可能になり、エスカレーターでの上り下りが不要になる。

サイン表示改善の好機となるか

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渋谷再開発の完成予想図

とはいえ、渋谷駅の工事が着々と進む中で懸念される点も少なくない。

初めて訪れる駅で乗り換えしたり目的地に向かったりする際、頼りになるのがサイン表示だ。だが、渋谷駅ではサインの示すとおりに歩いているのに迷ってしまうという声をよく聞く。

「渋谷駅は歴史のある駅なので、サイン表示もつぎはぎでやってきた」と、東急の担当者もこの問題を認識している。現在あちこちで工事中の渋谷駅では、サイン表示はさらにわかりづらいものとなっている。乗り入れを行う複数の鉄道会社がそれぞれ異なるサイン表示をしていることも、問題をより複雑にしている。

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サイン表示の改善案

複数の鉄道会社が乗り入れるある巨大ターミナル駅の駅長は、「利用者がサインに何を期待するかは、人によって違う。全員が満足するサイン表示は難しい」と、あきらめ顔だ。

ただ、東急は「再開発はサイン表示を抜本的に改善するタイミングとなる」と、再開発に合わせたサイン表示の刷新に意欲を燃やす。日本だけでなく、外国人旅行者にもわかりやすいサイン表示を行っていくという。

川の流れを変えて貯留槽や地下広場を造り、鉄道運行を一切妨げることなく高層ビルを建設する。渋谷再開発は現代日本の技術の粋を尽くした大型プロジェクトである。だが、最も目に付きやすいサイン表示で対応を誤ると、せっかくの歴史的偉業も色あせてしまう。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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