固定資産の「課税ミス」、一般市民の防衛策は 岡山市で48年間にわたる過大課税が発覚
「固定資産税の課税ミスが発覚した場合、過大課税分(過誤納金)を返還してもらうためのルールがいくつかあります。
最も典型的なものは、地方税法の規定に基づいて、自治体に過誤納金の返還を求める方法です。しかし、この手続きは、自治体が課税ミスを認めていることが前提です。しかも、5年の消滅時効がありますので、5年を超えた分の返還を求めることはできません」
ほかには、どんなルールがあるのだろうか。
「先ほどのルールを補完するものとして、各自治体が設けている『過誤納金返還条例』に基づいて、過誤納金の返還を求める方法があります。この手続きであれば、5年を超えた分も返還を求めることができます。
しかし、こちらも、自治体が課税ミスを認めていることが前提です。しかも、条例を設けている自治体とそうでない自治体があります。条例を設けていない自治体では使うことができません」
一般市民の防衛策は
もし、自治体が課税ミスを認めていなかったり、自治体に「条例」がない場合はどうすればよいのだろうか。
「そのような場合は、裁判所に自治体の課税ミスを認めてもらわなければ、過誤納金を返還してもらうことはできません。専門性の高い訴訟なので、その分野に強い弁護士に相談するとよいでしょう」
このように述べたうえで、山内弁護士は次のようにアドバイスを付け加えていた。
「課税ミスはなかなか発覚する機会がないので、過去何十年にもわたって課税ミスが続いていたという事例が少なくありません。
一般の方の防衛策としては、5年に1回ぐらい、または近いうちに相続が予想されるような時期に、固定資産税に強い税理士に『この土地、建物の課税は正しいですか?』などと相談してみるとよいでしょう」
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