相続増税対策の「落とし穴」に気をつけよ 死後の手続きは膨大だ
お盆の時期が近づいてきた。「相続増税元年」の今年、集まった家族で会議を開いて、わが家の資産をどう引き継ぐか話し合ってみてはいかがだろう。
相続税は今年1月1日から、「基礎控除(非課税枠)の縮小」と「税率の一部アップ」により課税対象が拡大し、支払う税金額も増加した。基礎控除額は2014年12月までは「5000万円+(1000万円×法定相続人数)」だったが、今年からは「3000万円+(600万円×法定相続人数)」に変更された。
たとえば、父が亡くなって相続人が妻と子1人の場合、非課税枠は7000万円から4200万円に4割も縮小。遺産総額が5000万円の現金なら、昨年までは非課税だったが、改正後は4000万円を超えると課税対象になってしまう。
相続セミナーに参加2.4倍、申告相談も1.7倍に
もちろん、この遺産が実家の土地だった場合、小規模宅地等の特例を使って評価額を引き下げることはできる。そもそも配偶者への相続税は1億6000万円もしくは法定相続分(のいずれか多い方)まで非課税となる。ほかにもさまざまな特例措置がある。
それでも、課税対象となる世帯が増えることは間違いない。関心はいやおうなく高まっている。週刊東洋経済は8月1日号(7月27日発売)で『これからの相続』という全46ページの特集記事を掲載。増税後の最新相続対策、実家の片づけから葬儀、終活までを追っている。
相続専門の税理士法人レガシィは相続に関するセミナーを毎月開催しているが、今年1~4月の参加者は前年同期比で2.4倍に増えている。増税を気にしているのは、被相続人となる親世代より「長男など相続人のほう」(レガシィの木下裕行税理士)だという。
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