首都圏の湾岸高層マンション、大震災後も人気の“なぜ”
そうなると、デベロッパーの懸念となるのが供給過剰による競争の激化だ。リーマンショック前に発生した不動産のミニバブルの時期であれば、眺望に優れ、抜群の資産性を持つ湾岸タワーマンションは、首都圏以外からも広く客を集めることができる超優良物件だった。
ところが、震災以降にやって来るのは、周辺の事情をよく知る江東区近隣の住民が中心。液状化への不安がぬぐえないなどの理由で、遠くから足を運ぶ客は少なくなっている。
今後も次々と新築マンションが供給される中、限られた客の争奪戦になれば、販売価格が下落する可能性がある。どれだけ需要は拡大するか。デベロッパーは期待と不安を抱えながら、勝負の時を迎える。
(猪澤顕明 =週刊東洋経済2011年10月8日号)
※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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