首都圏の湾岸高層マンション、大震災後も人気の“なぜ”
さながらタワー戦争 ただ供給過剰の懸念も
こうした流れを受け、大手デベロッパーも湾岸エリアでの新規供給を徐々に再開させつつある。中でも“湾岸復活の象徴”として業界の耳目を集めるのが、野村不動産が手掛ける「プラウドタワー東雲」(江東区東雲)だ。
震災以降、大手デベロッパーが湾岸エリアで超高層マンションを発売するのは、この物件が初めて。9月10日にモデルルームを先行オープンさせたところ、販売価格は発表していないにもかかわらず、2週間余りで800組が来場した。問い合わせだけでも5000件を超えており、この規模の物件としては「極めて好調」(野村不動産)。
トータルブレインの久光龍彦社長は「耐震構造や地盤改良など災害対策をあらかじめ商品企画に盛り込んでいるし、ブランド力もある。売れて当たり前」と評価する。
東雲の近隣でも需要は回復している。東京建物が分譲中の「ブリリア有明スカイタワー」(江東区有明)は4月の成約件数がゼロだった。ところが、8月以降は70~80件まで復調した。
中央区晴海では三菱地所レジデンスがプロゴルファーの石川遼をナビゲーターに起用した大型物件が来年初頭の発売を控えている。都心に近い湾岸エリアはさながら、大手各社がしのぎを削る、「タワー戦争」の様相だ(表)。