日本のビッグマック450円は「安すぎる」意外な訳 安価でおいしい食事を楽しめるのも日本の魅力

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なぜビッグマックかというと、マクドナルドが世界100カ国以上でほぼ同品質で販売するビッグマックの値段は、その国の原材料費や光熱費、店舗の家賃、従業員の賃金など、さまざまな要素を反映するため、各国の標準的な商品として比較しやすいためです。

ビッグマック指数はイギリスの経済専門誌『The Economist』が提唱したもので、1年に2回発表されています。

そもそもビッグマック指数は、通貨が正しい水準にあるかどうかを示す気軽なガイドとして1986年に考案されたものです。この指数は、外国為替レート決定理論の考え方のひとつである購買力平価(PPP)理論にもとづいて算出されています。

PPPはさまざまな経済データを国際比較するときに頻繁に使われるもので、より長期的なトレンドに沿った為替水準を示しています。

日本のビッグマックはなぜ安いのか?

それでは、日本のビッグマック指数はいくらなのでしょうか。

2024年1月時点での価格は1個450円(3.04ドル/1ドル=147.86円として)です。この価格をもとに、他の国のビッグマック価格と比較することで、物価水準の違いを知ることができます。

とはいえ、そもそもこの価格は高いのでしょうか、それとも安いのでしょうか。答えを先に言えば、非常に安いといえるでしょう。

調査対象となっている55カ国・地域のうち、日本は45位です。前後の順位をみると、44位はルーマニア(506円、3.43ドル)、46位はベトナム(445円、3.01ドル)となっています。

日本は基準となるアメリカのビッグマック(841円、5.69ドル)より46%以上、トップのスイス(1207円、8.17ドル)からは62%も安い価格です。

なぜ日本のビッグマックは安いのでしょうか。

いくつか理由はありますが、1つ目の理由として、生産性向上と技術の進化があげられます。日本の効率的な生産ラインと技術進化により、商品を生産するコストが削減されています。

2つ目としては、競争の激化が考えられます。飲食業界は激しい競争の中にあります。これが価格を下げざるを得なくさせ、消費者にとっては安価で購入できる選択肢となります。

3つ目は、日本の労働者は同じ労働時間で多くの仕事をこなしており、それがビッグマックにかかるコストを下げている要因となっています。

ビッグマック指数が安いということは、日本が相対的に物価の安い国であることを実感するでしょう。

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