為替レートの大変動、株価の高騰、物価や賃金の動向など、「経済の潮目」が明らかに変わってきたのは誰もが感じているところでしょう。それが何を示しているか、それから何を読み取れるかで、ビジネスの発想・行動も大きく変わってきます。
ひとつの数字が表われてくるまでの背景を知り、読み取ることで、「いま」や「これから」の経済の姿が見えてきます。もちろん、「過去」を知ればより深く理解することができるでしょう。
長年にわたり、帝国データバンク情報統括部が蓄積してきたデータベースをもとにした新著『帝国データバンクの経済に強くなる「数字」の読み方』では、ビッグデータやAIなど「数字が万能の世の中」になればなるほど必要になってくる、アナログで読み解く力を紹介しています。本稿では、同書から一部を抜粋してお届けします。
儲かっている企業はどこだ?
今回のテーマは「儲かっている企業はどこだ?」。
日本全国の企業を都道府県ごとに検証し、経常利益に焦点を当ててみることで、どの地域でどの企業が頑張っているのか、興味深い事実がみえてくることでしょう。
まず初めに、「経常利益」とは何か、簡単に説明しましょう。
経常利益とは、企業が目的とする本来の営業活動にともない直接発生する利益(営業利益)のほかに、本業以外で得られた利益や、有価証券の売却や金利などで得られた利益も含まれます。
言い換えれば、企業が日々の運営でどれだけ利益を上げているかを示す数字と捉えることができるでしょう。
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