世界の自動車業界は世界的な経済低迷で減速するが、見通しは安定的《ムーディーズの業界分析》

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コーポレート・ファイナンス・グループ
主任格付けアナリスト
VP – シニア・アナリスト
臼井 規

ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、マクロ経済のファンダメンタルズの悪化を要因として、世界の乗用車需要の伸びは向こう12~18カ月にわたり減速し、収益改善ペースは制約されるであろうと予想している。このような弱含みの状況を背景に、世界の自動車メーカーのファンダメンタルな信用状況の見通しをポジティブから安定的に変更した。

ムーディーズは、世界の自動車需要の伸び率の予想を、今年は5.1%から3.5%に、来年は7.4%から6.5%に下方修正した。向こう12~18カ月にわたり、成熟市場においては予想を下回るGDP成長率を、また、新興国、特にインドおよび中国においてはインフレ抑制のための利上げを要因として、自動車セクターにとってファンダメンタルな信用状況は悪化するとみられる。

自動車メーカーは、原材料コストの高騰による投入原価上昇に直面している。自動車メーカーが他のコストを削減する施策をとらなければ、原材料コスト高騰の影響により、利益率は1年前と比べ1~1.5ポイント縮小するであろう。

図1:ムーディーズの世界の乗用車販売台数の基本シナリオ

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