1年で「何本ボールペン売れるのか」計算してみた 入社試験でも出るフェルミ推定を解いてみた

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では、この表に基づいて、実際に売上高を計算してみましょう。

1色ボールペンは、
1200万人 × 80% × 2本 + 7200万人 × 40% × 2本 = 7680万本
7680万本 × 200円 = 153億6000万円
多色ボールペンは、
1200万人 × 70% × 1本 + 7200万人 × 30% × 1本 = 3000万本
3000万本 × 1000円 = 300億円

つまり、個人でみると、ボールペンは約454億円分購入されていることになります。

・法人で購入する場合

法人に対するボールペンの売上高は、

企業当たりの平均人数 × 1人当たりに配られる本数 × 企業数 × 購入率

で求められます。

フェルミ推定の問題を考えるとき、「企業数」はしばしば必要となるので、就活生の中にはあらかじめ覚えておく人も多いかもしれません。

もちろん「企業数」や「企業当たりの平均人数」も、フェルミ推定で求めることができますが、ここでは国内の企業数は約350万社、企業当たりの平均人数は約20人として考えましょう。また働く人の4割が1色ボールペンを2本、3割が多色ボールペンを1本購入すると想定します。

実際に売上高を計算してみると、

1色ボールペンは、
20人 × 2本 × 360万社 × 40% = 5760万本
5760万本 × 200円 = 115億2000万円
多色ボールペンは、
20人 × 1本 × 360万社 × 30% = 2160万本
2160万本 × 1000円 = 216億円

つまり、法人で考えると、ボールペンは約331億円分購入されていることになります。

実際の額との違いは?

『一流企業の入社試験』(星海社新書)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

個人と法人の売上額を合算すると、ボールペンの市場規模は、約785億円であると推定できます。以上が、この問題に対する1つの解答になります。

ちなみに、2021年度に経産省が出した文具月報(販売金額)によると、ボールペンの市場規模は約750億円だそうです。

しかし、あくまで大切なのは、結果として現実に近い値を出すことではなく、論理的に根拠立てて数字を導き出すことです。

フェルミ推定に興味を持った方は、ぜひほかの問題にも取り組んでみてください。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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