子どもの心に言葉が届く「親の声かけテクニック」 親の声が届かない理由は「怒っているから」

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(1)あるイタリアンレストランでの親子のやりとり

先日、あるイタリアンレストランで筆者は食事をしていました。通路を挟んで隣のテーブルにパパ、ママ、3〜4歳ぐらいの女の子が食事をしていました。ママは普段着ではなく、正装に近い服で、女の子も外出用の服を着ていました。

女の子はまだ小さいため、顎がテーブルの高さで、足はブラブラ状態。でもキチンと座って食べています。

しばらくすると、女の子がドリンクの中にある氷を取り出そうと手をグラスの中に入れました。

すると、ママが、怒り口調ではなく、丁寧に「手を入れないようにね」と声をかけ、子どもの手をグラスから出して、ママがお手拭きで手を拭いてあげていました。

ここまではよくある光景ですが、その後、子どもはまた同じことをやって、今度はなんと濡れた手をママの服で拭いたのです。

親の言葉の内容が伝わっていない

ママは、「ちょっと、やめて。服が汚れるじゃない!」と少しイラッとし、お手拭きで子どもの手と自分の服を拭いていました。

5分くらいして、また子どもは手をママの服で拭いたのです。

子どもはパスタやピザを食べているので、手が汚れている可能性大で、ママは、先程よりも、大きな声で、「やめてって言っているでしょ! ママの服で拭かない。わかったね。『わかった』は?」と言い、子どもは「わかった」と言っていました。

この段階で、筆者は絶対もう1回この子は同じことをやると確信しました。なぜなら、子どもには親が怒っていることはわかるけども、親の言葉の内容は伝わっていないからです。逆に親のその様子が楽しいとさえ思っている節もあります。

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