佐久間宣行に学ぶ「くすぶる中堅」を伸ばすヒント インパルス板倉をコンビどん底から救った企画
板倉さんの例からは、佐久間さんの人材開発が、人を“未熟”と捉えて、指導したり変えたりしようとするのではなく、その人がもともと持っていた個性や魅力を生かす、可能性を見いだすことであり、「可能性(ポテンシャル)の解放」なのだと学ぶことができます。
共通のビジョンを持ったうえで、共に成長する
また人材育成の観点では、部下に機会を与えることも大事な点です。それは単純にただ負荷のかかる機会を渡して修羅場を乗り越えさせればいいというものではありません。その人にあった適切な機会を与えて、成長させるのが大事なポイントです。
そのうえで重要なのが、なぜこの機会を与えるのかを、きちんと伝える点です。佐久間さんも「この仕事が何につながっているのか」を演者に対してしっかり共有すると、著書や数々のインタビューで語っています。
“なぜこの仕事に取り組むのか。なにを目指しているのか。なにが面白いのか。成功したらどんなことが起こるのか。こうした「なぜ」の説明が腑に落ちないと、人はアクセルを踏み切れない。(中略)リーダーの目標をチームの目標として共有できていないときは、ほぼから回る。そんなときはもう一度、「なぜ」、「どこに行きたいのか」の説明に言葉を尽くそう”(『佐久間宣行のずるい仕事術』P132~133より)
重要なのはただ機会を渡すだけではなく、どのような意味づけで機会を用意するのかと、相手がそれを生かせるように適切なタイミングで並走していくことです。
後編となる次回の記事(7月31日配信)では、引き続き佐久間さんの人材開発術について考えてまいります。
(構成:横田ちえ)
参考文献
佐久間宣行『佐久間宣行のずるい仕事術』,ダイヤモンド社
『SWITCH Vol.42 No.5 特集 佐久間宣行のインプット&アウトプット』2024年4月20日発売号)
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