佐久間宣行に学ぶ「くすぶる中堅」を伸ばすヒント インパルス板倉をコンビどん底から救った企画
旧来型の人材育成では、「適者生存」。つまり会社の中で一握りであるトップ層を目指すよう、社員たちを競わせていました。これでは、競争レースから脱落してしまった人材は放置されてしまい、なおざりになってしまいます。
会社を成長させるためには、適者生存ではない「適者開発」型の人材育成が必要なのではないかと思います。個々人の社員の資質や才能を把握したうえで、その人のよさを引き出し、開発していくような仕組みや機会を作っていくことです。
多様性を受け入れ、個を生かすマネジメント
佐久間さんは、まさに芸人やタレントを起用する際に、それぞれの強みを生かしており、人材育成の観点で参考になる部分が大いにあります。
お笑いの世界では、全員が全員「M-1グランプリで優勝」など、お笑い芸人の頂点に立ちたいという話でもありません。また、頂点に立った人ばかりが売れる、番組に出れるというわけでもないでしょう。それぞれの芸風や個性、持ち味を生かしながら、どう社会で受け入れられるようにしていくのかが、プロデューサーの大事な役目だと思います。
例えば、『はねるのトびら』『エンタの神様』などで人気になったインパルスの板倉俊之さん。かつてコント師としてコンビで注目を浴びたものの、相方・堤下敦さんの度重なる不祥事で、板倉さん単独での活動が中心になりました。
そんな中で2018年から始まったのが、佐久間さんがプロデューサーを務める『ゴッドタン』(テレビ東京系)内の企画、「腐り芸人セラピー」です。
「腐り芸人」とは、お笑いに高い志を持ちながらも、現代のバラエティで求められていることに合わせられず、周囲とうまく折り合いをつけられずに、孤独に腐ってしまった芸人のこと。
そんな「腐り芸人」に対して、板倉さんと、平成ノブシコブシの徳井健太さん、ハライチの岩井勇気さん扮する「腐り芸人三銃士」がセラピストになって、芸人にダメ出しやアドバイスをします。
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