本日初戦!男子バスケの救世主が語る「パリ五輪」 W杯は過ぎた話、大切なのは過去ではなく将来
ワールドカップには32チームが出場するのに対し、オリンピックにはわずか12チームしか出場ができません。つまり、オリンピックにはワールドカップ以上に真の強国だけが参加するのです。換言すれば、誰と対戦しようと簡単に勝てる相手などいないということです。
そして、ワールドカップでは予選ラウンドを勝ち抜けなくとも順位決定ラウンドがあり、実際、僕たち日本もワールドカップでは2次ラウンドに進めずに順位決定ラウンドへ進んでいます。
オリンピックにはこれがなく、予選ラウンドで敗退した時点で大会は終わってしまうということになります。つまりは、どの試合も最重要の試合として戦わねばなりません。
そうした厳しい大会ではありますが、僕自身は出場することをものすごく楽しみにしています。ワールドカップで成果を挙げた日本が、そこからさらに成長し、より強固な軍団としてより高いレベルのプレーを、オリンピックという最高峰の舞台でどこまで発揮できるか、ワクワクします。
アメリカと対戦したら面白い
オリンピックは、言うまでもなくスポーツ最大の祭典です。誰もがオリンピックを見て育ち、世界のすばらしいアスリートたちのパフォーマンスを見てきたはずです。単に自分の国を代表するだけでなく、世界最高のアスリートたちが一堂に会して世界に向けて競う、特別な舞台です。
僕も小さな頃からオリンピックを見てきましたが、その舞台に立てるチャンスがもらえるなどとは夢にも考えていませんでした。
日本代表としてはどのチームと対戦しても、厳しい戦いとなります。ただ、個人的にはアメリカと対戦したら面白いなとは思っています。僕はアメリカで生まれ、育ち、子どもの頃からNBAを見ていました。
2023年のワールドカップでアメリカは2大会連続で表彰台を逃すなど、残念な結果に終わっていることもあり、パリオリンピックにはスーパースターを集めた「アベンジャーズ」のようなチームを結成して臨んでくるとも見聞きします。そんなチームともしコートで対峙するようなことがあれば、すばらしい経験になると思います。
もっとも、相手が誰になろうと日本代表チームのやることに変わりはありません。僕たちは富樫勇樹選手や河村勇輝選手のような小さな選手が、スピードやスリーポイントシュートをいかしながらポジションレスに戦う、世界でもかなり異色なスタイルのバスケットボールです。
僕たちには多くの優れた選手たちがいて、しかし特定のスター選手に頼るのではなく、毎試合、全員が自分の役割をこなしながら、その中から誰かしらが活躍をする、プレーをしていても非常に楽しいバスケットボールです。
ワールドカップでは比江島慎選手や僕、河村選手、渡邊雄太選手、富永啓生選手と、試合ごとに異なるヒーローが出たことも、大きなことを成し遂げられた理由となりました。
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