2020年の大統領選挙ではジョー・バイデンに投票したとマスクは述べていた。その2年後の中間選挙では、人々は共和党に投票すべきだという投稿を行い、ここ数カ月間はXへの投稿でバイデン批判を着実に強め、年齢から移民政策、医療政策に至るまで、あらゆる点で大統領バイデンを攻撃している。
その一方でマスクは、トランプにXへ復帰するよう秋波を送り続けてきた。2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件を受けてXはトランプを追放したが、2022年後半にXを買収したマスクは、即座にトランプのアカウントを復活させた。しかし、それ以来、トランプはXに1度しか投稿していない。
陰謀論と偽情報で盛り上がるX
暗殺未遂事件があってからXには陰謀論と偽情報が渦巻いている。Xでは13日、自作自演を意味する「staged」という言葉がトレンド入りし、銃撃事件がディープステート(闇の国家)、もしくはトランプを含む何者かによる「やらせ」なのかどうかをめぐる議論が利用者に広まった。
Xで最も多くのフォロワーを持つマスクは、競合するテック企業の幹部やメディアが扇動的な言葉を使い、銃撃事件の温床をつくったと非難。シークレットサービス(現職大統領や大統領経験者の警護を担う組織)は「極めて無能」か、事件が起こるのをわざと許した、と何の証拠もない批判を展開した。
14日に送信され、ニューヨーク・タイムズが入手した内部メールによると、Xは、偽情報を拡散したり、銃撃を賞賛したりする投稿に対して措置を講じるという。
「このようなときに、世界はXに目を向ける。私たちは当プラットフォーム上で行われている会話を守る責任がある」とXのCEOリンダ・ヤッカリーノは書いた。
マスクは14日、Xは真実を見つけられる場所だと投稿し、伝統的なレガシーメディアを「純然たるプロパガンダ機関」と呼んだ。15日には、Xが誤情報を広めていることを認めつつ、ニューヨーク・タイムズやウォール・ストリート・ジャーナルといったメディアに難癖をつけた。
「Xで何かが間違っていた場合はすぐに訂正されるが、レガシーメディアでは数時間から数日間も間違った状態が続く」とマスクは書いた。
(執筆:Kate Conger記者、Ryan Mac記者)
(C)2024 The New York Times
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