恐怖心がない?トランプのガッツポーズに危うさ 常人離れした度胸は無謀と背中合わせ

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先の誇りや自信のシグナル以外にも、こうしたところにトランプ氏の力強さや度胸が見られるのですが、恐怖のなさは無謀と背中合わせでもあります。

例えば、私たちは将来自身の身に何が起こるか不安を抱き、懸念し、恐怖を感じるから保険に加入します。「自分は絶対に大丈夫」と自信満々に思っていたら保険などお金の無駄でしょう。私たちは、恐怖を抱くからこそ、恐怖が現実にならないよう、現実になったとしても被害を抑えられるようさまざまな予防策を立てるのです。

恐怖がなければ(まったくないと言わずとも恐怖心が不足していれば)、潜在的な脅威に注意が向きにくくなるのです。

ガッツポーズが命取りになった可能性も

先日の銃撃直後、シークレットサービスに囲まれながら会場を後にする場面で、トランプ氏は聴衆に向かって顔を見せ、ガッツポーズをしていました。シークレットサービスはトランプ氏に密着し、氏の頭部に手をかざしながら、必死で守っていましたが、もし銃撃犯による第2撃、第3撃があったとしたら、トランプ氏やシークレットサービスは、負傷していたかもしれません。

さらに時を遡ること、2018年6月。シンガポールで米朝首脳会談が開かれ、共同宣言にサインをする場面で、トランプ氏は「朝鮮半島の非核化は、本当にすぐに実現できる」と微塵の怖れも見せず、自信満々に述べていましたが、結局は実現しませんでした。

ゆえに、恐怖心を適度に抱けるというのは為政者にとって必要な資質なのです。

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