100億の貢献?糞虫の聖地「奈良公園」の奥深き裏側 驚異の自然サイクル!莫大な経済効果生む陰の掃除屋
今年は自身で主催する「親子糞虫教室」を始めてみました。採集と標本作りの2つからなっていて、月に1、2回ほど奈良公園周辺の糞虫を採集しに行き、捕まえた糞虫を使って、月にもう1、2回ほど糞虫館で標本作りをするという内容です。
こうした継続的な観察会を行い、顕微鏡を用いて「これはなんていう糞虫だ」と種類を同定し、1年間で30種類を見つけることを目標にしています。
糞虫は観光資源になる
―今後の展望などはありますでしょうか?
糞虫は、奈良の魅力を伝える観光資源になると思っています。そこで、人材育成ではないですけど、奈良公園の糞虫の解説や観察会のガイドができる方が増えてくれればと思っています。
僕自身、小さい頃から糞虫の魅力にハマったこともあり、「糞虫の聖地である奈良に、糞虫の博物館を作りたい!」と思い、奈良公園の近くに糞虫館を作りました。だから糞虫についてもっと知ってもらう機会が増えるとうれしいです。
奈良に都ができて約1300年。自然豊かな奈良公園では、今も1トンものシカのフンが糞虫によって分解され続けている。多くの人が行き交う観光地、その地面では我々の気づかないところで自然のサイクルが日々繰り広げられていた。
そう思って奈良公園に足を運べば、シカだけでなく、地面に落ちたフンにも思わず目がいってしまいそうだ。
今回は、ならまち糞虫館の館長である中村圭一さんに、奈良公園がシカのフンだらけにならない秘密について話を聞いてきた。次回の記事では、“フン虫王子”こと中村さんがいかにして糞虫の虜になったのか、そして個人でならまち糞虫館を立ち上げるに至った背景について紹介する。
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