小田急「宿泊体験ツアー」なぜ開成駅だったのか 参加者だけでなく乗務員もうれしい企画の裏側

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ロンちゃんは2023年5月に塗装を全面的に塗り替えて装いを新たにした。毎月第2・第4日曜日のほか、6月の「あじさいまつり」開催期間中や、夏休み中の土日などには車内も公開する。普段の開成駅は特急は通過するばかりだが、あじさいまつりの間の土日には開成駅に一部が臨時停車するなど、ロマンスカーになにかとゆかりのある駅でもある。

一方、西口ロータリーからは、富士フイルムの事業所方面などへのバスが出ている。スーパーマーケットの「マックスバリュ」も駅前すぐの場所に。開成駅の駅員、小田原管区主任の藤林克則さんは「24時間営業で、出勤前や休憩時間に買い物に行くのに重宝する」と話す。

藤林さんは「新松田から小田原までの区間にある駅は昔ながらの雰囲気でお年寄りからの問い合わせも多い印象だが、開成駅は周りに新しい世帯が多く、通勤通学利用の割合が大きい」と駅の特徴を語る。

開成駅 駅員
開成駅の窓口に立つ駅員の藤林克則さん(記者撮影)

宿泊所で体験ツアー

開成駅の駅東側に3本の車庫線が並ぶ。夜に車庫線へ電車を入線させたり、朝に出庫させたりする乗務員用の宿泊所は駅の西側にある。小田急は6月22日、この宿泊所に1泊する「体験ツアー」を開催した。料金は3人または4人1室2万3800円から1人1室2万9800円。

募集人数は最大でも12人と小規模だが、ツアーのコンテンツは盛りだくさんに用意した。1日目は13時30分に小田原駅に集合すると、普通電車で1つ隣の足柄駅に移動。運転士や車掌が所属する足柄乗務所を訪れる。小田原駅に戻り、同駅でのロマンスカーの分割・併合作業を見学したり、引き上げ線の乗車体験をしたりする。

さらにロマンスカーMSE(60000形)を貸し切って海老名駅まで行き、海老名車庫を見学。再び小田原駅へ戻ると、貸し切りの普通電車で開成駅に到着。車内と宿泊所のテラスから入庫整備の様子を眺める。そしてようやくメインイベントとなる宿泊所での就寝となる。

翌朝は7時に起床し、今度は出庫作業を見学する。貸し切り普通電車に乗り、小田原駅で9時15分ごろ解散、という日程だ。

開成駅 宿泊所
宿泊所の建物は開成駅ホームの西側に隣接する(記者撮影)
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