企業の業績で基本となるのは、言うまでもなく売り上げ(売上高)だ。商品やサービスの販売など、企業の主たる営業活動によって得た収益である。定款によって定められた事業からの収入であり、ここを継続的に伸ばしていくことが企業経営の基本であり、王道だ。
損益計算書の一番上に記載される数字であることから、「トップライン」とも呼ばれる売り上げをいかに増やしていくかは、企業の成長にとって欠かせない。一方で、思うように売り上げを伸ばせず、逆に減らしてしまうこともある。需要の減退、競争激化、外部環境の変化など、さまざまな要因がある。
東洋経済オンラインは7月15日配信記事で、売り上げを長年にわたって伸ばし続けている「優良企業の宝庫!『連続増収企業』ランキング」を掲載したが、今度は逆に売り上げを減らし続けている会社を紹介する。約3600社の上場企業すべてを網羅している『会社四季報』(2015年夏号発売中)で集計したデータを活用。「連続減収年数が多い企業」のランキングを作成した。
3年以上の連続減収は約170社
直近本決算までに売上高が過去3年以上にわたって減っている約170社が対象で、直近決算の売上高、営業利益、業種名、設立年なども併記した。
連続減収年数が最も多かったのは山陽百貨店の19年。兵庫県姫路市に本拠を置く地方百貨店だ。百貨店売り上げは、景気低迷やショッピングセンター、専門店などとの競合により1991年のピーク9.7兆円から2014年には6.2兆円まで縮小。特に地方店は、地方経済の衰退、商圏人口の減少に加え、訪日中国人の免税品買い上げなどの恩恵も享受できず売り上げは減少の一途。コスト削減で利益を捻出する以外に手はない。
本ランキングの上位企業を見ると、店舗型の小売業が多く、すでにビジネスモデルや取り扱っている商材、サービスが色褪せてしまい、外部環境の変化に対して抜本的な手を打てていない企業が目立つ。10年以上の連続減収企業は11社と上場企業全体の0.3%。5年以上で見ると67社と同2%弱となる。任天堂と日本マクドナルドホールディングスが、いずれも6年連続で売り上げを減らしていることにも着目したい。
売り上げが減れば利益を確保するのも難しくなり、直近決算で営業赤字を計上している企業も少なくない。ビジネスモデルや商材、サービスが通用しなくなり、外部環境がさまざまに変化しているとはいっても、5年以上にわたって売り上げが減り続けるというのは、一般的にみて企業の経営に黄信号が灯っていると言っても差し支えない。