企業が持続的に経営していくためには、利益を出さなければならない。会計上いくつかの概念があるが、基本が営業利益。商品やサービスの販売など、主たる営業活動によって売り上げ(売上高)を得て、原価と経費(販売管理費)を差し引く。いわゆる「本業の儲け」だ。企業の儲ける力そのものを示す数値といえる。
東洋経済オンラインは、売り上げを伸ばし続けている会社に着目して「優良企業の宝庫!『連続増収』ランキング」を7月15日に配信したが、今度は営業利益を伸ばし続けている会社を紹介する。売り上げを増やし続けるのも、もちろん難しいが、営業利益はもっと困難だ。
いくら優れたビジネスモデルや商材、サービスを持っていてもライバルとの競争はある。時には採算度外視の値引きで勝負しなければならないときもあるし、商品の仕入れ原価が高騰してしまうようなことや、人材を採りすぎて人件費が想定以上にかさんでしまうようなことなどもある。売り上げが思うように伸びないこともあるだろう。
20年以上の連続増益企業は全体の0.01%以下
にもかかわらず、20年以上にわたって営業利益を伸ばし続けている会社もある。東洋経済オンラインは、約3600社の上場企業をすべて網羅している『会社四季報』(2015年夏号発売中)で集計したデータを活用して、「連続増益年数が多い企業」のランキングを作成した。
直近本決算までの実績をベースにしており、データがさかのぼれる1990年以降、また上場前後のデータの有無により、必ずしもその企業の正確な連続増益記録とは異なる場合もあるものの、営業利益を伸ばし続けている会社の傾向をざっと把握できるはずだ。
1位はニトリホールディングスとヤオコー。ニトリは言わずと知れた全国トップの家具・インテリア製造小売りチェーンだ。実はニトリは連続増収でも1位で、1989年の上場前から「増収増益」を続けており、営業増益は最新決算時点で28年連続という記録を持つ。ヤオコーは埼玉を地盤とする食品スーパーだ。独立系で提案型の売り場づくりに定評がある。
本ランキングは過去5年以上連続で営業利益を伸ばし続けている約300社(上場企業全体の約8%)を網羅した。20年以上の連続増益企業はたったの3社と、上場企業の0.01%以下という非常にまれなケースだ。10年以上の連続増益で見ても20社と全体の約0.5%。売り上げ以上に営業利益を伸ばし続けることは容易ではなく、上位には優良企業が並んでいる。