ほとんどの仕事の場合、一人で何もかも進めることはできません。同じ部署やチームの力を借りたり、決裁を取ったりするなどして進めていくことになります。必然、そこには社内外の「人と人とのコミュニケーション」が生じてくるわけです。
そして、同じ事柄でも「どう言うか」によって、受け手の印象は異なるわけです。たとえば、今日までに終えるべき仕事が半分終わっている、という状態を説明する際、
「まだ半分しか終わっていないので終わりそうにありません」
と言うのか、あるいは、
「進めるうち、より詳細に検討する点が生じたため、すべて終わらすには明後日までかかってしまいます。本日時点のものでよければ後でお見せしますが、差し支えなければ期限を明後日に延ばしていただきたいです」
と言うのかで、相手に与える印象はまったく変わってしまいます。
あいまいさを許さない試験勉強
「仕事が半分終わっている」という状況は同じでも、前者は無責任な印象を与えますが、後者は相手の状況にも配慮した責任感のある印象を与えます。そして後者の人のほうが「仕事ができる人」と評価されますね。
仕事というのは、一事が万事このようにコミュニケーションを軸に進めていくもの。上記例のような場合以外でも、コミュニケーション能力が発揮される場面が多々あるのは、みなさんご存知でしょう。
なので、たとえ同じ事務処理能力だとしても、コミュニケーション能力が高い方が「仕事ができる」と高く評価されることになります。言い換えれば、「コミュニケーションでごまかせる」わけです。
さて、ここまでは仕事術の本みたいになってしまいましたが、一方の試験勉強は、仕事のような「ごまかし」は効きません。コミュニケーション能力による水増しの恩恵が受けられず、あいまいさは許容されないのです。
ものすごくわかりやすく言えば、仕事では「富士山はだいたい3800メートル」と言っておけばうまくやり過ごせますが、勉強では「富士山は3776メートル」と言い切らないと点数にならないのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら