日立・三菱重工の経営統合は幻だったのか?--中西宏明・日立製作所社長に直撃インタビュー

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 たとえば、記録マージンをグンと上げると、歩留まりが上がる。そうするとコストが下がる。同じ材料を投入して取れる枚数が増えるんだから。なおかつ記録マージンがたっぷりあると、エラーも減る。高品質で安くできて、収益も出てくる、そういう製品にできた。そうすると社員も面白くなって、自然と社内の目標のレベルも上がるわけだ。こういう挑戦抜きに、グローバルに戦える企業にはならない。

でも、HDDはそうだったかもしれないが、ほかの製品は違うって、みんな言うんだよ。確かに個々の技術的な解決策は違うが、まずはリーダーが本当にそう思わなきゃダメ。社内カンパニーの社長が本当にそうだと思わなければ、絶対にそうはならない。これはインフラ系事業でも同じです。

--中西さんは海外経験が長く、グローバルな競争の厳しさを知っている。競争に打ち勝っていくためなら「日立」の名前は捨ててもいい。それくらいの危機意識をお持ちでは?

私個人は、そうですよ。だけど、日立製作所がそれを許容するかどうかは、また別ですよね。


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(聞き手:長谷川高宏 =東洋経済オンライン)
写真はHDD事業売却の会見時、撮影:尾形文繁

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