日立・三菱重工の経営統合は幻だったのか?--中西宏明・日立製作所社長に直撃インタビュー

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--三菱重工の大宮社長は報道後、すぐにメディアの取材に応じて、統合を否定。中西さんは1カ月半の間、沈黙を続けていました。なぜ、すぐに説明しなかったのでしょうか?

大宮さんは大宮さん流、私は私流。あれだけの記事が出て、われわれのアナウンスに対しても、日経さんは執拗にあれは正しいと言い張った。水掛け論で、言えば言うほどこちらの立場が悪くなるでしょう? 引き金を引いたのは日経さんであって、われわれじゃないんだから。

--社会インフラの中で、特に規模拡大が必要な分野は?

もちろん事業によって、ずいぶん違う。その中で、今の特徴はみんな同時並行だということ。特に新興国での社会インフラの欠乏状況というのは、電力が足らない、交通手段がよくない、住宅環境が悪い。要するに、昭和30~40年代の日本の経済発展のときと同じ、あるいはもっと短兵急に改善を迫られている状況。

かといって、全部一括して一社に発注する、ということにはならない。アライアンスがすべての解決策になるとは思わないが、経営統合や事業統合だけでなく、さまざまな形の提携関係を築いていくべきだと思う。

■グローバル競争に勝つためなら、日立の名前を捨ててもいい。

--東芝、ソニーとの液晶事業統合を8月下旬に発表しました。会見の席上、「世の中、グローバル時代。グローバルに強くない事業は早晩やっていけなくなる」と発言していましたが、今回の統合報道と関連して、社内外に何か訴えたいメッセージがあったのでは?

グローバルに、というのは普段からそう思っているわけです。だから、あの報道もその意味では正しい。

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