ドラマ「西園寺さん」ヒットの予感しかない3理由 「逃げ恥」「家政夫ナギサさん」に続く良作となるか

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2023年、大河ドラマ『どうする家康』(NHK)では、阿茶局役で、側室ながら軍議や戦にも参加する有能さをもった役を颯爽と演じていた。悪い意味の一切ないサバサバした雰囲気があり、嫌味がなく、清々しい。いま最も、アラフォー女性のロールモデルとして重宝される俳優であろう。

火曜ドラマには『私の家政夫ナギサさん』、『夕暮れに、手をつなぐ』『18/40~ふたりなら夢も恋も~』(ともに2023年)に出演しており、火曜ドラマ4作目で初主演を射止めた。2025年1月公開の映画『室町無頼』では高級遊女・芳王子(ほおうじ)役で出演予定だ。

そして、松村北斗。SixTONESのメンバーである松村は、2023年の第46回日本アカデミー賞で新人俳優賞を受賞し、俳優としても期待されている。

彼が俳優として注目されたのは、朝ドラこと連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(2022年度後期)。ヒロイン(上白石萌音)の夫・稔役を演じて、100年後の三代めヒロイン(つまり孫に当たる)まで影響を与える名台詞を語る重要な存在となり、稔さんブームを巻き起こした。

松村北斗に今回の楠見役は合っている

昭和の、真面目な勉学に勤しむ人物が似合う貴重な存在である。ミステリードラマ『ノッキンオン・ロックドドア』(2023年、テレビ朝日系)では、料理の得意な探偵・御殿場倒理役で、難易度の高いトリックを解明することが得意な頭脳派を演じていたが、今回の楠見の第一印象は御殿場にちょっとだけ似ているような気もした。

朝ドラで共演した上白石萌音と再共演が話題になった映画『夜明けのすべて』(2024年)で友だちや恋人という枠組みとは違う関係性の男女を演じていた。旧時代の、メインキャラはこういう役割がふさわしいという決め事から解き放たれた役を演じた松村に、今回の楠見役は合っているように思う。

松本も松村も(偶然、どちらも「松」)、旧時代の、夫婦、恋人というイメージと違った新時代感のあるキャストである点においても『西園寺さん〜』に期待できる。

原作はすでに完結しているので、原作と終わり方が違うという心配もないだろう。どんな“家庭生活”が描かれるか、第2話以降に注目したい。

木俣 冬 コラムニスト

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きまた ふゆ / Fuyu Kimata

東京都生まれ。ドラマ、映画、演劇などエンタメ作品に関するルポルタージュ、インタビュー、レビューなどを執筆。ノベライズも手がける。

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