ドラマ「西園寺さん」ヒットの予感しかない3理由 「逃げ恥」「家政夫ナギサさん」に続く良作となるか

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“干物女”と言われる、仕事は優秀だが家事をいっさいしない主人公(綾瀬はるか)が、キレイ好きで家事の得意な部長(藤木直人)と一軒家で同居するという物語だった。

家事をしない主人公、家事の得意なイケメン、一軒家での同居……とこの人気要素が『西園寺さん〜』でアップデートされて、シングルファーザーとの偽家族になったと見ていいだろう。

令和的なアップデートがされた部分は、楠見の描き方だ。亡くなった妻が家事に手を抜かない人だったため、彼女の代わりに自分がちゃんとやらなくてはいけないと思っていて、それが彼を追い詰めてしまう。

もともと仕事も論理的にやるタイプだから、家事にも真面目に向き合っているのだろう。そして子育てにも。火事に遭い満喫生活しているとき風邪を引いて、娘に感染させてはいけないとバスタブの中に自ら隔離するとは真面目すぎる人物だ。

生真面目で、感情をあまり表に出せないタイプの楠見は、一妃の家のバルコニーでバーベキューをしたとき、妻のことを思い出して泣いてしまう。

ずーっと気を張って過ごしてきたから、一妃に手を差し伸べてもらえてホッとした瞬間の表情。これはもう、役割とか属性は男女関係ない時代なのだとつくづく感じさせた。

松村北斗
シングルファーザーとして奮闘する楠見俊直を演じるのは松村北斗(画像:TBS『西園寺さんは家事をしない』公式サイトより)

一妃のほうは、かつて母親ががんばりすぎて家を出てしまった過去がある。その体験が彼女を必要以上に家事に縛られないようにさせたのかもしれない。

一妃は家事はしないが、「シルバニアファミリー」が好きで、一部屋、そのコレクションに当てている。すてきな家や家庭に憧れもあるのかもしれない。彼女の内面は追って描かれるであろう。

“ハマり役すぎる”メインの2人

男性だって家庭を守らないといけない局面があり、反対に、女性だからって家事をやらなくてもいいと我道を主張することができる。

それぞれのやりたいこと、やれること、やりたくないことを明確にして、それぞれが適材適所、分担していい時代の到来。メインキャストの松本若菜と松村北斗がハマっている。

松本は、今回がGP帯の連続ドラマ初主演。『仮面ライダー電王』(2007年、テレビ朝日系)で俳優デビューして18年目。2022年『やんごとなき一族』(フジテレビ系)でヒロインを徹底的にいじめ抜く小姑役の弾け具合で注目を浴びる。

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