石丸伸二「論破芸」魅了される若者に伝えたいこと 恥をかかせる行為を安易に鵜呑みにする危うさ
当初は「小池vs蓮舫の一騎打ち」との予測もあり、石丸氏をはじめとする他候補は「3位争い」と位置づけられていたが、いざ投票箱があくと、小池氏の約292万票(得票率42.8%)には及ばないものの、蓮舫氏の約128万票(18.8%)を超え、石丸氏は約166万票(24.3%)を記録した。
しかし多くの有権者は、都知事選で初めて、石丸氏の存在を知ったのではないか。なんなら開票速報で、「蓮舫氏を超える得票だ」と報じられて、ようやく認識した人も少なくないだろう。そこで改めて、石丸氏の経歴を振り返ってみよう。
石丸氏の公式サイトによると、1982年生まれで、2006年に京都大学経済学部を卒業し、三菱UFJ銀行へ入行した。アナリストとして、アメリカ・ニューヨーク赴任を経て、2020年に広島県安芸高田市長に就任した、との略歴が書かれている。
広島県内は当時、前年に起きた元法務大臣とその妻の公職選挙法違反事件で揺れていた。前任の安芸高田市長は、広島県議時代に金銭を受け取ったとして、就任わずか3カ月で辞任しており、石丸氏は前副市長との一騎打ちを制して、2020年8月に37歳で当選した。
「ネット時代の政治家」の代名詞
ここまでの説明だけだと、「Uターンしたエリートが、地元再生に動いた」といった印象は抱いても、そこから4年で「蓮舫打破」にまで至るとは思わないだろう。しかし、都知事選へと続く、石丸氏の「地盤」の礎は、就任翌月には作られていた。
2020年9月、「居眠り」していた市議について、ツイッター(現在のX)で言及したことをきっかけに、石丸氏はSNSを中心に注目を集めるようになる。2022年6月には、議員定数削減案を提出した際に、議会に向けて「恥を知れ、恥を! ……という声が上がってもおかしくない」と声を上げたことから、さらなる話題に。
議会中継の「切り抜き動画」がYouTubeに拡散され、石丸氏は一躍「ネット時代の政治家」の代名詞となったのだ。
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