仕事がデキる人か一発でわかってしまう「相槌」 安易なリアクションは会話を止めてしまう

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その年、投手として日本最速記録を達成した与田を取材に行った日に、筑紫哲也さんから「与田投手の球って、どれくらい速いの?」と尋ねられました。普通なら「すごいんですよ、何と157km!」と答えるところで、私は他の表現を使ってみました。

「球場でお客さんにインタビューしたのですが、与田投手が投げると『首が疲れる』と言うんですよ」

すると、筑紫さんは「何のこと?」という顔。おそらく、カメラの先にいる視聴者の皆さんも首を傾げたと思います。

そこで私は種明かしを。

「そのお客さんは、スピードガンの表示が見にくいお席だったようです。だから、彼が一球投げる度に、1回1回、首をひねって確認する必要があったので、『首が疲れる』となったようです」

視点を変えてユニークな表現を考える

この場合、単に「すごい」を連発するよりも、受け手には強く印象に残ったかもしれません。最初はなかなか難しいかもしれませんが、1つのヒントとして「視点を変える」という意識を持つというのはお勧めです。

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球速の例で言うと、「157km、すごい!」という数字を使った直球の表現から、「首が疲れる」という変化球の表現へ、見方をちょっとズラすだけでユニークな表現は生まれるものです。

ほかにも、美味しい物を食べた時などに、「すごく美味しい!」ではなく、「今日はみんな食べるのに夢中で、口数が少ないね!」 と、より実感を込めてみると、誰もが「そうそう」と頷いてくれるでしょう。

これからは「すごい」だけで済ませるワンパターンから卒業して、自分なりの表現法を工夫してみませんか? トライすると結構大変なものですが、こういう努力から自分なりの表現や個性が生まれると信じています。私からの宿題です(笑)。

木場 弘子 フリーキャスター

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きばひろこ / Hiroko Kiba

1987年 TBSにアナウンサーとして入社。在局中は同局初の女性スポーツキャスターとして、『筑紫哲也ニュース23』など多数のスポーツ番組を担当。1992年 プロ野球・与田剛氏(中日前監督)との結婚を機にフリーランスに。妻、母、キャスターの3役をこなす存在として、講演やシンポジウム、インタビューなど多方面で活躍。各界トップへのインタビューは300人を超える。教育や環境・エネルギーに関わる活動が多く、インフラ施設等への取材は70か所。最もヘルメットを被っている女性キャスターとして現場主義がモットー。生活者視点や広報的観点からこれまでに12の省庁で有識者会議の委員を務めた。千葉大学客員教授、JR東海社外取締役、INPEXの社外監査役も務める

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