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フランス総選挙・極左政党の台頭が意味すること マクロン大統領との「保革共存」可能性も

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懐かしい言葉だ。「メランション」という名前が知られ始めたのは、今から15年ほど前からである。社会党の左派であり、かつては大学紛争の闘士だったメランション。

彼が、多くのリーダーや党員がセレブ化していく社会党の中で目立つようになったのは、フランス社会党の本来の目的である「貧困を救う」という目的を彼がずっと堅持していたからである。

フランス・パリ北部ヴィレットで産声を上げた新しい左派政党は極左といわれているが、むしろ本来の社会党そのものだといえる。マクロンによって破壊された社会党を、このメランションが再生したのだ。フランス社会党の一部にすぎなかった本来の左派の流れを、本流にまで変えていったのである。

貧困問題で主張が似通う極左・極右

一方で、マリーヌ・ル・ペン(55)が率い、今回28歳のジョルダン・バルデラが党首となった極右政党「国民連合」(RN)も、こうした貧しい人々の受け皿となっている。社会党が右傾化する中で、貧しい人々を集め次第に力を付けてきた。

掲げる政策でも、貧困対策など新人民戦線とかぶるところが多い。もちろん、移民政策や人種差別問題などはまったく異なっているが。

マクロン政権は、その意味で資本主義の移行期の政権だったともいえる。社会党と共和党を糾合してできた与党連合(アンサンブル)を中心に組閣しているマクロンは、今回は極左と極右連合によって真っ二つに引き裂かれた。

再びかつての左派と右派の時代に戻るのか、それとも中道が維持できるのか。今回のフランス国民議会の選挙は、まさにこの点が焦点だった。結果は、左右の対立と貧富の格差の対立が勝利したのである。中道路線は失敗した。

一方で、今回の選挙の結果は決して新人民戦線の完全勝利だというわけではない。確かに国民議会第1党の議席数を獲得したが、全557議席の半数を割る180議席にすぎない(過半数は279議席)。

マクロンの与党連合も、前回の245議席から大きく減らしたが、159議席を獲得して第2政党の位置にいる。第3位の国民連合も142議席と前回の89議席から増やした。まさに三つ巴の戦いの中で、どの党を中心に首相を選出し、組閣するのかは微妙なところだ。

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