フランス新政権の短い命と極右次第の解散総選挙 法案審議のたびに不信任投票にさらされる必然

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極右の台頭は防ぎたいが、左派を政権入りさせたくないマクロン大統領(写真:Bloomberg)

7月7日の国民議会(下院)選挙の決選投票から約2カ月半、政治空白が続いてきたフランスで新政権がようやく発足した。

マクロン大統領から首相として政権発足を託されたのは、かつてフランスの環境相や欧州担当相などを歴任し、英国の欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)協議でEU側の主席交渉官を務めた元欧州委員のバルニエ氏だ。

バルニエ氏の所属政党は、定数577の国民議会で47議席にとどまる中道右派の共和党(LR)。同党はフランスの現政治体制(第五共和制)を築いたドゴール元大統領の政治勢力の流れをくみ、二大政党の一角として多くの大統領や首相を輩出してきたが、マクロン氏が大統領就任に先駆けて2016年に中道政党を旗揚げした煽りを受け、党勢低迷が続いてきた。

なんとか発足した少数与党政権

会派間のポスト配分や人選を巡って閣僚人事は難航した。

財政再建に向けた増税の可能性を示唆したバルニエ氏に対して、これまで税負担の軽減による経済活性化を進めてきた大統領支持会派のアンサンブル(ENS)が反発した。閣僚経験者の多くが政権への参加を固辞。バルニエ氏が当初提示した閣僚候補の人選にマクロン大統領が難色を示したとの報道もある。一時はバルニエ氏が政権を発足させられないまま辞任するとの観測も浮上した。

最終的にバルニエ氏は18人の大臣級閣僚のうち、4人を共和党から、10人を議会の第二勢力に転落した大統領支持会派から、残り4人を独立系議員から選んだ。共和党の47議席に大統領支持会派の165議席を加えても、政権に参加する両勢力の保有議席は212議席と過半数(289議席)に満たない。

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